アシ車≒趣味車?
第1回 2004年式 購入:2019年1月 購入価格:68万円 購入時走行距離:76,820km 現在走行距離:91,088km 燃費:10.3km/ℓ
加納 亨介 BMW330Ci 2022.04.07ここ20年ほど、クルマを2台並行所有している。1台はアシ車で、もう1台はスキーエクスプレスとしての四駆である。ここでレポートする3シリーズクーペは、もちろんアシ車のほうだ。3年ほど前にベンツ190E 2.6から買い替えた。
アシ車だったら新車の軽自動車を買って長く乗るのが最も賢明なはずで、実際ワゴンRを見に行ったりした。しかしクルマ好きの性は抑えきれない。つい中古車検索サイトを覗いてしまう。
最初は初代1シリーズの130iに惹かれた。検索していろいろ見ているうちに、どういうわけかこの330ciが現れた。写真がキレイだ。社外ホイールもキマッている。お店の在庫一覧を見ると、普通のアシ車(ホントのアシ車)が並ぶ、ごく普通の中古車屋のようだった。ただ、よく見るとボルボ740のセダンとベンツCクラスの廉価グレードが混ざっている。お店のご主人の趣味だろうか。
330Ciは「車検整備付」だった。つまりその時点で車検は切れている。であれば試乗はできない。と思いつつも問い合わせてみたら、試乗できるという。「こないだ車検とった。気に入ったから自分で乗ってんの」とご主人は言った。手放したくないようだった。状態のいい個体かもしれない。
さっそく見に行った。ご主人は軽快によく喋る人で、口ぶりからクルマ好きがにじみ出る。「やっぱボルボはセダンでしょ」「ベンツは廉価グレードだよね」。好みの方向もぼくと合っているようだった。そんなご主人が普段使いしているという
330Ciが、悪い訳もない。念のため試乗させてもらったら案の定フィーリングが良かったので、その場で購入を決めた。
かつてクルマ雑誌の編集者をしていたことがある。それは「輸入中古車専門誌」という、ぼくにとってはなんとも都合の良いもので、ルパンでお馴染みの古いチンクエチェントから最新のベンツやロールス、果てはランボルギーニまで、古今東西さまざまなクルマのステアリングを握ることができた。
その結果として、ぼくの好きなのはドイツ車か日本車である、という結論に行き着いた。いや、4台も5台も持てるならシトロエンやフェラーリも欲しいが、そういう境遇には生まれついていない。現実解としてはBMWかトヨタかレクサスがいいと思うようになった。エンジンは6気筒以上、中でもやっぱりBMWのシルキーシックスがいい。
というわけで、ワゴンRのカタログを脇に追いやって中古車検索サイトを徘徊した結果、330Ciになった。ちなみにスキーエクスプレスのほうもBMWの6気筒である。自分で言うのもなんだが、バカっぽい。ガソリンスタンドでハイオクを入れるたびにそう思う。