「フォーミュラE東京E-Prix」マセラティMSGチーム・ドライバーが語る直前情報
PF編集部 マセラティMSG、フォーミュラE 2024.03.30本日3月30日、フォーミュラE東京E-Prixの第1回大会が東京ビッグサイト周辺で開催される。TVではJ SPORTS、フジTV(地上波)、BSフジにて生中継される予定。
10年前のローンチからルールもマシーンも大きく変化したフォーミュラEの現在の姿を確かめるため、PFスタッフも現場を取材している。
開会前日の28日に開催された、マセラティMSGレーシング・チームのドライバー記者会見に招待された。以下はドライバーたちとの一問一答。
Q. 日本における最初のフォーミュラEレースとそのコースについて、どのように感じているか
マキシミリアン・ギュンター:事前にドライビング・シミュレーターで走り込み、レイアウトが大好きになりました。今シーズンもうまくスタートできていると感じています。大好きな東京の文化に触れることも楽しみにしています。
ジェハン・ダルヴァラ:マックスが言ったとおり難しいコースですが、誰もドライブしたことがないコースで、ワクワクしています。
Q. どれくらいシミュレーターで練習するのか。コースのどこがチャレンジングか
マックス:2日間、ジェハンとシェアしながらシミュレーターで走り込みました。テクニカルで、バンピーなセクションが多くあります。ターン9のハードブレーキングや、速いシケインが特徴です。
ジェハン:レース中の充電量をコントロールするエネルギーマネジメントが難しいので、シミュレーションでフリープラクティスやクオリファイも経験しました。個人的にはターン10、11、12が難しいと思います。明日以降実際の道を走るのが楽しみです。
Q. フォーミュラEに参加するモチベーションや、レースの楽しさは?
マックス:フォーミュラEは誕生から10年経って、技術と効率性の向上が急速に進みました。技術の限界と闘う楽しさ、そして多くの自動車メーカーが関係するなかでトップクラスのレースに出られる特権を感じています。
ジェハン:私ももっともコンペティティブなトップレベルのメーカーから出られることが嬉しいです。マセラティは素晴らしいブランド。最初のシーズンで多くを証明したいと考えており、モチベーションは100%に達しています。
Q. マセラティMSGチームの特徴は?
マックス:昨年末からモナコの拠点で多くの時間を使いました。フォーミュラEはチーム力が勝負なので、エンジニアやチームがオープンによく話す必要があり、その点でマセラティMSGはファミリー的チームです。マシーンの空力特性に影響をおよぼすエアロパッケージやシャシーは他チームと共通です。一方で、バッテリー、インバーター、モーター、ギアボックス、リアサスはメーカー個別なので、効率性には違いがみられます。昨年は初めてのシーズンだったので後半に多く進歩し、優勝や表彰台を多く経験しました。オフシーズンにも多くの新しい進歩がありました。これからも継続して改善していきます。
Q. F2との違いを教えてください。
ダルヴァラ:私は昨年まで内燃機関を使うF2に参戦しており、18回表彰台を獲得しっました。総じて、ふたつのレースは大きく異なると考えています。1周だけするのに要求される技術は大きく変わりませんが、多くの周回をこなすなかで、タイヤとエンジンのマネジメントがF2レースとは大きく違い、またコースによってすべてのレースで異なる。私は市街地コースを多く経験しているので期待しており、とりわけ東京は誰も経験していないのでエキサイティングです。
Q. 昨年、マックスさんは優勝されたが、フォーミュラEにおいて優勝するためになにが必要か?
マックス:フォーミュラEは6年目で、これまでにいろいろ経験しましたが、まだ最も若いドライバーのひとりです。競合のレベルが非常に高いフォーミュラEが要求するのは、とてもタフなコンペティションです。新しいコースへの適合、チームやチームメイトとの協調、エネルギーマネジメント。すべてに全力を尽くすこと、そのものです。
Q. フォーミュラEのドライビング・フィールとはどんなものか?
マックス:自動車としては、EVらしく加速が素晴らしい。とても魅惑的です。いっぽう、サーキットはとりわけロードコースではバンピーな道におけるブレーキングなどのコントロールが難しいです。レースでは速く走らせるだけでなく、充電量の調整もしなければならず、それは非常に複雑な作業です。他のレースに比べて、実際のコースにおけるプラクティスが少ないので集中力が要求されます。