ラ・カロッツェリア・イタリアーナ ’77”:伊東和彦の写真帳_私的クルマ書き残し:#33
伊東和彦 2025.06.20
第3回 ベルトーネに魅了される
引き続いて、1977年7月16〜24日に東京・晴海の東京国際見本市会場で催された、『日伊デザイン交流協会』主催の“ラ・カロッツェリア・イタリアーナ ’77”の話題だ。今回は、市販車のX1/9を含めて7台を展示したベルトーネのクルマを紹介してみた。

毎回、同じ前口上になって恐縮だが、画質についてはご容赦いただきたい。会場を訪れたのは撮影が目的ではなく、自動車専門誌の誌面でしか見たことのない、華やかなショーカーの現物を見るためであり、その合間の記録としての素人写真であるためクオリティは低い。記録メモの範疇だからだ。雑誌の誌面で見ていたとはいえ、カラーページに掲載されていたのは一部に過ぎず、多くはモノクロであったから、想像していたのとは違って見えたクルマもあり、それがとても新鮮だった記憶がある。
現物を見る機会は2度とないだろうからと、当時の私にはめずらしく奮発して、すべてASA100のカラー・ネガフィルムでの撮影だった。この連載に当たっては簡易的なスキャナーでデータしてみた。







写真をご覧になって気がつかれたと思うが、広い見本市会場内の観覧者の数は、私が訪れた休日でもこの程度であった。事前の告知が充分でなかったのか、企画自体に大きな集客力がなかったのかは分からないが、1977年のこの1回だけで終わってしまったことから、成功とは言えなかったのだろう。あるいは、企画自体の意図が世の中よりだいぶ先を走っていたのかもしれない。