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Der FREIRAUM デアフライラウム “自由な余白” #04

まずはGolf Caddyを手に入れろ!

横川 謙司 フォルクスワーゲン・ゴルフ 2022.07.30

海外の中古車情報をWEBで探す

VWゴルフの日本屈指のマニアが、Golf Caddy Camperをなんとか自分で手に入れたい、と挑戦するエピソードの第4話です。日本でベース車を探し始めます。

オーストリアで実車を目の当たりにし、「あるところにはある」ことがわかってしまいました。

しかし、手に入れられるかと言えばまた別の話……この頃から「残るは自作……か⁈」という考えが浮かんでは消え、「なんとかなるんじゃないか」という気持ちと「いやいや素人にそんなの無理」という気持ちのハーフ&ハーフな日々。

このキャンパーは、Golfのピックアップトラック版であるCaddyというモデルがベース車になっています。まずこのCaddyをどうするか、そもそも日本で手に入るのか、という難題にいきなり直面するわけなんですが、正規輸入などされているはずもなく、当然、我が国ではレア車です。

そのレア車に、実は以前友人が乗っていたのです。深緑の完全ノーマルCaddy。しかし、その友人も手放してだいぶ経ち去就は不明とのこと。こういうのはタイミングなんですよね。当時からCaddyが欲しいとは思っていたけれど、キャンパーとは結びついていませんでした。

検索したところで、国内に売り物のCaddyなどそうそうあるはずもなく、某所の有名な個体も売却されたという噂を聞き……

そんな折、西の方に売りに出ているCaddyがある!という話が舞い込んで来ました。ええ、そりゃもう、すぐヒコーキに乗って見に行きましたよ。場所は広島。お店から少し離れたガレージでドキドキの対面です。

「かっこいい……」。ポルシェ・ホイールを履いたその個体は、ダッシュボードが取り去られ、内装は剥き出しの鉄板もスパルタンなカスタムCaddyだったのです。

悩みましたが、一旦フルオリジナルに戻す、という工程を考えると、これはこれで完成している一台をベース車にするのは忍びなく、入手を断念するに至ったのです。

国内ではなかなか難しいのかなぁ、ということで、次は海外の中古車情報webに手を伸ばします。ドイツ、北米、南アフリカの三箇所で”Caddyが出たらお知らせ”メールが届くように登録してみると、これが月に二、三回は情報が来て、またしても「あるところにはある」というのがわかってきました。

南アフリカの中古車情報WEBで見つけたCaddy

特に、南アフリカ市場は、工場があり1995年くらいまで製造していたため、ボディの状態が良いものが多く、価格も30~60万円ほどと手頃。ですが、エンジンがキャブ仕様で右ハンドル、年式が新しいほどダッシュボードが近代化していて初代ゴルフの内装と比べると少々趣に欠ける印象。そして走行距離が異常に多く、その点は少し不安。

南アフリカ物件の内装。我々の知るゴルフ1とはだいぶ趣が違う。

北米もそこそこ出ます。こちらはRabbit Pickupで、もともと角目です。CoolTruckとしていじられている個体が多く、そういう類のものは200万円くらいするものもあり。

そして、ドイツ。こちらも状態様々で、空き地に放置されて朽ちる一歩手前のものから、VR6エンジンに換装済! のようなアツい個体まで、けっこう活発に取引されている様子。ただし、折しも世界は未曾有のウイルスに覆われ、現地まで実車確認に行ける状況ではなくなっていたこともあり、見えない錆や書類不足などでハズレを手にするリスクも増大してなかなか踏み出せずにいたその時、何気なく送ったメールに驚きの返答をくれた男がいたのです。

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